University of Occupational and Environmental Health Wakamatsu Hospital
orthopedics・Sports arthroscopy
Wakamatsu Hospital for University of Occupational and Environmental Health
Orthopedic and Sports Arthroscopy Surgery
ISAKOS approved Teaching Center
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当院で実施している自家滑膜幹細胞移植の治験について (半月板断裂 縫合不能症例)
当院では、自家滑膜幹細胞移植の治験にご協力いただける患者さまを探しておりましたが、今回規定症例数に達しましたので、募集を終了いたします。
ご協力ありがとうございました。
■治験の概要
本治験は、強い衝撃がかかったり、加齢などが原因で膝の半月板※が断裂してしまった半月板切除術が適応となる患者さまのうち、いくつかの基準を満たした患者さまに対して、自家滑膜幹細胞移植を受けていただきます。
その上で、本治療法の有効性と安全性を検討します。
※半月板とは、膝の中でクッションの役割をしている三日月の形をした軟骨のことです。
■自家滑膜幹細胞移植とは
患者さまご自身の膝の中にある滑膜という組織を採取させていただき、この滑膜から幹細胞を培養(細胞を人工的に増やす)して製造します。この滑膜幹細胞を、半月板が断裂してしまった場所を縫合した上で、移植する方法です。
今回の治験で使用する自家滑膜幹細胞は国内で行われた臨床試験で、患者さまと同じような半月板が断裂した方に使われており、半月板断裂による症状が改善するなどの効果が期待できます。
■治験の参加基準
【対象となる方】
この治験は以下の基準をすべて満たす方を対象としています。
(1)
年齢:18歳以上(同意取得時)
(2)
性別:不問
(3)
外来・入院:半月板(はんげつばん)縫合術(ほうごうじゅつ)日(び),FF-31501移植時および52週時に入院が可能な方
(4)
フラップ断裂が疑われる方(水平断裂(すいへいだんれつ)、縦断裂(じゅうだんれつ)、放射状断裂(ほうしゃじょうだんれつ)の併発は不問)
フラップ断裂 水平断裂 縦断裂 放射状断裂
(5)スクリーニング前直近12週のリハビリテーションを含む保存治療で半月板損傷の臨床症状が改善しない方
(6)半月板損傷の臨床症状である疼痛(とうつう)を有する方
(7)以下のいずれかの症状のうち1つ以上を有する方
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膝内のひっかかり感(膝関節の屈伸(くっしん)がスムーズでない症状)
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不安定感(日常生活や運動の際に膝の安定感を欠く症状)
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可動域(かどういき)障害(しょうがい)
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関節(かんせつ)水腫(すいしゅ)*4
(8)100mm2以上の半月板(はんげつばん)切除術(せつじょじゅつ)が適応となる方
(9)本人から文書同意取得が可能な方
【対象とならない方】
1項目でも該当する場合は治験にはご参加いただけません。
(1)膝のアライメントが不良な方(大腿(だいたい)脛(けい)骨(こつ)角(かく)170°以下あるいは180°以上)
(2)移植予定膝に半月板手術(半月板(はんげつばん)切除術(せつじょじゅつ)、半月板(はんげつばん)縫合術(ほうごうじゅつ))又はPlatelet Rich Plasma療法が既(すで)に施行(しこう)されている方
(3)X線検査でKellgren(ケルグレン)-Lawrence(ローレンス)分類がグレード3以上と診断された方
(4)移植予定膝に膝(ひざ)靭帯(じんたい)損傷(そんしょう)のある又は既往のある方
(5)移植予定半月板が円板状(えんばんじょう)半月板(はんげつばん)である方
(6)関節(かんせつ)鏡(きょう)検査(けんさ)で血行野縦断裂(けっこうやじゅうだんれつ)のみと診断された方
(7)半月板縫合術が困難な断裂と診断された方
(8)スクリーニング前12週以内に、移植予定膝に対して以下に示す薬剤の関節内(かんせつない)注射(ちゅうしゃ)を施行された方
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局所(きょくしょ)麻酔(ますい)薬(やく)
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副腎(ふくじん)皮質(ひしつ)ステロイド剤
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ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム
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ヒアルロン酸ナトリウム架橋(かきょう)処理(しょり)ポリマー
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ヒアルロン酸ナトリウム架橋(かきょう)処理(しょり)ポリマービニルスルホン架橋体(かきょうたい)
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精製(せいせい)ヒアルロン酸ナトリウム
(9)スクリーニング前12週以内に移植予定膝に対して関節穿(かんせつせん)刺(し)を施行された方
(10)MRI検査が不可能な方(ペースメーカー使用、閉所(へいしょ)恐怖症(きょうふしょう)など)
(11)関節鏡検査の同意が得られない方
(12)104週までの規定の来院ができない方
(13)併用(へいよう)制限(せいげん)薬(やく)の使用制限が困難な合併症を有する方
(14)活動性の感染症に罹患(りかん)している方
(15)悪性(あくせい)腫瘍(しゅよう)既往5年未満の方又は悪性腫瘍を有する疑いのある方
(16)血液検査で、梅毒トレポネーマ、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1およびHIV-2)、又はヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)のいずれかに陽性反応を示した方
(17)抗生物質(こうせいぶっしつ)(ゲンタマイシン、アムホテリシンB)に対して過敏症(かびんしょう)又はアレルギーを有する方、又はアミノグリコシド系抗生物質に対して過敏症の既往のある方
(18)動物(どうぶつ)由来(ゆらい)原料(げんりょう)(ウシおよびヒツジ)にアレルギーを有する方
(19)血糖コントロール不良の糖尿病(とうにょうびょう)の方
(20)以下に示すような合併症を有し全身状態が悪い方
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重度の心血管(しんけっかん)系(けい)疾患(しっかん)
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重度の肝(かん)疾患(しっかん)
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重度の腎(じん)機能(きのう)障害(しょうがい)
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重度の貧血(ひんけつ)
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コントロール不良な精神(せいしん)疾患(しっかん)
その他、治験参加中に症状の急変や悪化が予測されうる疾患
(21)妊婦又は妊娠している可能性のある方、授乳している方、治験期間中に妊娠の希望がある方
(22)治験製品移植予定前90日以内に、他の臨床試験に参加した方、他の治験に参加している方および本治験参加中に他の治験に参加する予定のある方
(23)過去に膝に治験製品(ヒト自家滑膜幹細胞)の移植を受けた方
(24)その他、治験責任医師又は治験分担医師に不適格と判断された方
患者さんの状態によってはご参加いただけないこともありますことをご了承ください。
■治験の参加期間
・治験の参加期間は約2年となります。
・治験期間中は,膝関節鏡検査を実施致しますので入院が必要な時期がございます。
詳しい情報については、お気軽に下記にお問い合わせください。
治験実施診療科:整形外科
お問い合わせ先:内田宗志(治験責任医師)
電話番号(093)761-0090